統計をしっかり理解する

統計は、複雑な世界を理解するための有用なツールです。統計データを賢く用い、統計を使った怪しげな主張に騙されないようにしたい。

統計を使えば、他の方法では気づけなかった物事を見ることができる。その一方、統計によってうそをつくこともできる。統計の罠を見破り、うまく利用するためには、次のようなことに注意する。

統計と感情

統計を伴う何らかの主張を見聞きした時には、それに対して自分の感情がどう反応しているかを意識する。統計について理解を深めるためには、自分自身について理解を深める必要がある。統計を伴う主張を見たとき、それに対して起きる感情的反応の制御についても学ばなくてならない。
気に入らない証拠やデータに出くわすと、私たちは往々にして、それを否定しようとする。感情が強く動くと、理路整然と考えるのが難しくなる。
そこで重要なのが、自分の感情に気づくことです。そのために必要なのは、自分自身に問いかけるという習慣です。「この情報を聞いて、今、自分はどんな気持ちになっているか」と自問することです。
人間の感情がどれほど重要であるかは明白です。人は、自分の中にある既存の信念や価値観と一致する結論に到達しようとします。

データの意味を自問する

与えられたデータの説明をよく読み、意味するところを本当に理解できているか自問する。
統計を伴う主張を理解しようとするときは、それがどんな内容でも、まずはその主張が実際には何を言っているのか、よく考える必要があります。
統計という学問は、物事を測定すること、数えることを基盤として成り立っています。したがって、何を測っているのか、何を数えているのか、どのように計算しているのかを理解することが重要です。しかし、私たちは、それを理解していない場合が多いです。統計的主張を見たとき、数字は上昇しているのか、下降しているのかと、いきなり数字に飛びついてしまいます。その前に、その統計が何を測っているのか、何を示しているのか、どんな定義をしているのかを、注意深く確認する必要があります。

俯瞰

比較や文脈を調べ、全体像の中で、その主張を眺めてみる。
俯瞰することは、統計の数字を正しく理解する方法の一つです。この俯瞰する手段として、スケール感を持つという方法があります。統計と出会ったら、「これは大きな数字かな?」と自問することは大切です。
例えば、令和4年度予算における中小企業対策費は1,095億円です。この数字だけ見たら、いかが感じるでしょうか。年収400万円程度の人が見れば、非常に大きな数字に感じます。
経済産業省の予算は9,024億円です。この数字を知った後では、どのように感じるでしょうか。中小企業対策費は、経済産業省予算の12%です。
令和4年度予算は、107兆5,964億円です。
大きな数字だろうか、小さな数字だろうか。判断はあなたがしてよいのですが、こうした比較を知っていた方が、よりよい判断を下すことができます。

まとめ

統計で騙されないようにするためには、その統計データを見たときの自分自身の感情に気づき自問すること、与えられたデータをよく読み意味するところを理解すること、比較や文脈を調べて全体の中で俯瞰して眺めること、こういったことが大切です。

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